— — つぶやき — —     大前 玲子

私には二人の女の子の孫がいる。一人はこの4月から小学校4年生になり、もう一人は小学校の1年生になる。孫たちは、同じマンションの階下に住んでいて、みんなから幸せだとうらやましがられるが、本当に孫は可愛い。頼まれてもいないのに、玩具やおやつや洋服などを買い与えてしまいがちだが、質素倹約をモットーとする娘夫婦から、孫を遠ざけられてしまう。最近は母親(娘)の仕事や、母親の月1回のピラティスの時だけ孫を見ることを頼まれる。娘からは口癖のように「何も買わないで」と言われている。

最近、孫の卒園式があり、お祝いを申し出ると、娘が「妹(私の次女)の結婚式に着る服と洋服。普段着を二組買ってやって欲しい」と言ったので、私は最近流行っている「ウーモ」も買ってやろうと思うと言うと、娘が「そんなもの買わんといて」と言った時、日頃の鬱憤がたまっていた私は「いつも、上から目線で命令して、どういうこと、親とは違うんだから、おばあちゃんとしてお祝いしたいんだから、ほっといて」と、激しく言い放ち、孫二人を連れてデパートに向かった。『ウーモ』は品切れでなく、次に洋服と洋服に合う靴等娘に頼まれた物を買い揃えた。その時、孫が運動靴も買って欲しいという。孫が履いていた運動靴はまだきれいだったが、買ってやることにした。上の孫の方は躊躇していたが、下の孫は熱心にさがし、自分にぴったりな靴を買った。私が『これで、ピカピカの1年生やな』というと、その言葉が気に入ったようで、新しい運動靴をはいてぴょんとはね、「ピカピカの1年生」と、うれしそうに笑った。少しして「お道具箱が、まだ揃ってない」と少し曇った顔で言った。娘が「保育園で使っていたお道具箱がまだ使えるから」と言っていたのを思いだし、姉のお下がりばかりで過ごしてきた6年間に想いをはせた。孫のピカピカの1年生になりたい気持ちが痛いほど伝わった。質素倹約も良いが、娘よ、孫が思うピカピカの1年生にしてあげて!(浪費家の母に育てられて倹約家になった娘との葛藤)