— – 楽しみの見つけ方 – —     吉田 瑞子

 仕事であれ、趣味の会であれ、出かけることの楽しみの中に乗り物に乗るということがある。

 大げさに言うと、家という場から別の場への切り替えの時間、ということになるだろうか?
普段はそのようなことを意識しないけれども、改めて考えるとそこは私にとって自分自身を解放
できる最適の場所、時間になっているようだ。

そのため前は嫌だなと感じていた遠くの集まりも逆に大いに楽しみとなった。

 今私にとって現実的に効用があるのは歌いたい歌のフランス語の歌詞を暗記することだ。

なかなか覚えないので20分の乗車時間などほんの数分に思えてしまう。普段積ん読になって

いる本を読むなどもそうかなと思う。

 しかし、これ等は効用があると言う現実の利を意図しているという世俗性のために、達成感は

あるものの何やら私を疲れさせる。

 そこで、、目を閉じ、、呼吸を整え、、瞑想のようなことを試してみる。

まず頭の中で形を感じてみる。

初めは定まらない雲のようである。

次に色を感じてみる。

初め雲は無彩色だが次第に色彩を帯び終いには光を発してくる。こうして私は実に華やかな

世界に包まれると言う具合である。

 うまくいかない時は頭の中を端から順番に走査してみる。そう、ペンフィールドの微細な電気

刺激が大脳皮質の細かい点を捉えるように!

その時イメージは物語性を持って過去と現在の私を結びつけるが私はこれをいつも曖昧な

ままにしておく。。

 目的の駅について私は後ろ髪を引かれながら現実の世界にもどるのだ