— — 有限に存って、無限を活きる — — 三国ヶ丘心理相談所 都甲 泰弘
スペースシャトルに乗っている野口さんが、先に宇宙へ行ったことのある毛利宇宙飛行士からのインタビューに対して、「宇宙から大気圏へ入る時はがっかりする」と答えている。
それは 何故かと聞くと、入る時(地球へ戻る時)、徐々に入って行くにつれだんだんと重たく感じだす。
それは、無重力状態から重力を感じ出す状況に移って行ってるからです。
つまり、これまでの浮揚したエクスタシーを感じられるような非現実的世界から、現実の世界へ入って行くので、「明日にでも宇宙ステーションへ戻りたい」と。
無重力の感覚というのは、我が身と心は宇宙と同化してストレスフリーの状態です。それが重力を感じる大気圏へ移行していくに従って、その重力は現実のストレスと化していくのです。無重力の大気圏外からストレスいっぱいの大気圏内への突入は、身体が正直に反応しだします。
我々の住むこの地球上には、現実の社会のストレスを全身に受けて生きて行かねばいけない宿命が待っているのです。
野口さんは、あの無重力を感じた状態の時のEcstasyは何とも言えないComfortableであったのでしょう。
われわれ衆生は、そう簡単に宇宙のかなたへ飛んでは行けません。しかし、瞑想法に依って、この身 このままで、時に心をこの現実から超えた非現実のところに移し替えることで、清澄な境地のエクスタシーを体験できます。瞑想法(メヂテーション)は心の全部どころか、いのちの全部を活かし、自分のいのちは宇宙のいのちが活きているという甦りを覚えます。
限りのある肉体生命を、限りの無い大宇宙に触れるひとときを持つことは、いのちが歓びます。ときどきは、瞑想行で以って、心を移して、無重力状態を体験しましょう。有限に在って、無限のいのちを活きましょう。