— — 共存共栄の新しい形? — — こころのさと心理相談室 吉田 俊治
例えば川魚の社会では、ヤマメが下流、イワナが上流に生息するように、
生活空間や生活時間・時期を分け、「競争を回避しながら共存」している。
人間社会では、例えば金融業は銀行と消費者金融、輸送業界は、トラック、
鉄道、船舶等のように互いに競合関係にある業界が、「特色を残しつつ共存」
している。
インターネット上ではゾーニングといって、嗜好・解釈・考え方の違う者同士が、
互いの地雷を踏んで不快な思いをしないよう、「活動の場の分け隔て」をしている。
子どもの世界でも、学校社会は「キャラがかぶって」仲間外れにならないように、
「場に応じたキャラを使い分け」ることが必須となっている。
こうして並べてみると、ヤマメもお父さんも子供たちも、生き残り戦略として、
だれに教えられるわけでもなく「スミワケ」ている。
ブーム渦中の「ゆるキャラ」たちは、グランプリで「競い合いつつ」、
「平和にスミワケ」ている。
このゆるーいスミワケは、共存共栄の新しい形のようだ。