— — 私のひとり言 — — 浦伸子
臨床心理士として38年やってきたが、最近になって思う事がある。
カウンセリングをしている自分の姿勢を省みると、脳の衰えのせいなのか、クライアントの方に丁寧に対応しておらず、先走った対応をしているのではないか?と思える事が増えて来たのだ。ベテランになって来たと、言葉を換えて言えばそういう事になるのかもしれない。
しかしクライアントの方の詳細をお尋ねし、発せられる言葉に丁寧に向き合う。これがだんだんパターン化し、分類されているような学習効果ともいえるべき感覚を伴うようになったことで、「早めに対応してしまいたい!」とでも自分の対応が変化してきているのだろうか。これは気を付けないといけないなと思った。歳をとると、老賢者的立ち位置に立ちたがるのが良くない。私だけか?!
寄る年波には勝てないが、そうだからといって、自分が確立してきたカウンセリングのやり方をそんなふうに端折っていいはずはない。若い時の体力のある時の私の方がきちんと訊けていた。それはまだまだ勉強不足だったからだし、訊きだす技術が、まだ未熟であったからである。でもそれが、その謙虚な気持ちが、丁寧なカウンセリングを導いていた。
若い方に笑われるかもしれないが、毎日、心を新たに、若い時のような探究心の塊のような気持でカウンセリングに赴くことが大切であって、先回りして、その人にとって役立つ内容等を指南していくようなカウンセリングは、悩み相談であっても、カウンセリングではないのだと痛く反省している今日この頃だ